孤高の老将

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桃太は村守の仕事のため、村の中央にある村守の本部へと向かっていた。 「……で、なんでお姉ちゃんがついてくるのさ」 「体験入部」 「……あのね……」 「いいじゃない、女性でも入隊出来るんでしょ」 「いや、でもお姉ちゃんみたいに小柄な体じゃなかなか」 「あんた今また貧相な体って言わなかった?」 「言ってないよ!」 桃太の泣きどころを蹴りつけたかぐやは、一人悠々と本部へと歩いていく。 「確かに運動神経はあるかも知れないけどさ……はぁ」 ため息をつきつつ、何とか引き止めるために小走りでかぐやの後を追う。 「お姉ちゃん……」 「戻らないわよ。大体、母さんだって女だけど立派に村守やってるじゃない」 止まるもんかといった顔で、かぐやは桃太の制止を振り払う。
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