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「いや、止めましょうよ……浦島さん、めっちゃこっち見てますよ」
そう言ったのは、かぐやとこの戦いを見ていた桃太だ。
「確かにあのおじさん、強いわね……あんたの言ってたことは嘘じゃなかったわけね」
「でしょ? 毎日五、六人は犠牲になってるよ」
「ふ~ん。で、あんたは?」
かぐやが腕組みをして、まるでいじめっ子のような笑みを桃太に向ける。
「え、僕? 僕は別に、戦いたくないしさ」
「はいおじさーん!! 次コイツねー!」
「……ねえ、僕をいじめて楽しい? お姉ちゃん」
手拭いでガシガシと頭を擦っていた浦島が振り向き、桃太をギッと睨みつける。
「次は貴様か、小僧」
「……お姉ちゃん、行く?」
「初戦が達人じゃ話になんないじゃん。てゆーかかぐや、戦いたくないし」
(こんな時ばっかり……)
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