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「ほら、さっさと入ってこい小僧! 今日はお前で最後だ!」
「さ、行ってらっしゃーい!」
「はぁ……分かったよ」
ニコニコしているかぐやを半べそをかきながら見つめ、桃太はしぶしぶ柵の中へ入った。
(うわぁ……素振りしてるよ)
「……ふむ、こんなものか。さて、いくぞ小僧!」
言うが早いか、浦島は桃太めがけて突進してきた。
「っわ……!!」
慌てて竹刀を構えるが、浦島はもう目の前まで迫っていた。やむを得ず浦島の一撃を防ぐ。
(ぐっ……!? 重い……!!)
「どうしたどうした小僧!! 素人か貴様は!!」
次々繰り出される浦島の猛攻に桃太はなす術もなく、じりじりと後退していく。
「くっ……そお!!」
桃太は隙を見て、苦し紛れに横の一太刀を打ち込む。しかし浦島は桃太の頭まで飛び上がりそれを避けると、そのまま避けた竹刀を踏みつけた。
「っ!」
地面にめり込んだ竹刀に気をとられた一瞬に、浦島の蹴りが桃太の頬へと命中する。
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