孤高の老将

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七尺(一尺約30センチ)程蹴り飛ばされたが、桃太はとっさに受け身をとり瞬時に目で浦島をとらえた。 「フン!! なかなかタフだな。思い切り蹴ったつもりだったが」 「まだまだ……こんなもんじゃやられませんよ」 「言ったな、小僧!!」 同時に踏み込み、竹刀を打ち合う。あまりの激しさに、外で見守っていた村守達から驚きの声が漏れた。 「さすがは海児さんの息子と言ったところか……」 「桃太君、あんなに強かったのか!」 振り下ろされる浦島の竹刀を横に避け、首に一撃を打ち込んだ。 「っ……! 小僧っ!!」 桃太は横に払われた竹刀を跳んでかわし、空中で一回転して間合いをとった。その目はいまだに浦島を見据えている。 (あれだけ大げさな動きをしても、息切れしておらん。そして打ち込むやいなや、遠くへ跳躍するあの脚力! 誰もそんな所、見てはおらんだろうが……) 「まだまだいくぞ小僧!!」 「……、はい」 桃太は一呼吸置くと、再び踏み込んだ。 乾いた音が鳴り響き、竹刀の欠片が飛び散っていく。
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