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「はっ、はっ、はっ……」
息を荒げ、尋常ではない汗をかいているのは浦島の方だった。
「浦島さん……もう、よしましょう……何、も、見えなくなって、きました、し……」
だが、極度に疲労しているのは桃太も同じ。
「ふっざ、けるな……はっ、はっ……俺が、貴様のような、若造に……!!」
「参り、ました。降参です。僕の、負け……です」
「ふざけたことをぬかすな!!」
浦島の怒号が響き、木々のカラス達が一羽残らず飛び去った。
「浦島さん……」
「負ける、ものか。き、貴様等七節に、に、二度と……」
「七節に……二度と?」
桃太に向けられたはずの言葉に、早乃が反応する。
「どうしたの? 母さん」
「おかあさん……?」
「なあぁりゃあぁぁ!!」
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