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「まったくあの女は、洗濯板みたいな胸と顔しやがって」
目の二倍はあろうかという眉に、ヒビのような眉間のシワ。加えてその大柄な体格のせいでよく熊とも間違われる男、七節海児(ナナフシカイジ)は竹やぶに着くと、『くたばれババア』といいながら竹を粉々にしていった。素手で。
「ったく……ん?」
海児は粉砕しようとしていた竹を見て、はた、と動きを止めた。目の前の竹が、わずかながら光っているのだ。
「んむ……?」
海児は目をこすって、改めて竹を見た。竹は相変わらず光っている。夢幻ではない。
「なんだ……? 金でも詰まってんのか? どれ」
海児は持ってきていた刀を使い、光っている竹を切った。
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