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辺りはもうそろそろ薄暗くなってきそうだ。
ライトをつけて走る車も僅かだが見えはじめた。
「まなぁ!帰ろー!!」
そう言い、スキップをしながら教室へくる彼女は沢田悠。
ショートカットの似合う綺麗な顔立ちで、性格は明るい普通の中学3年生。
「悠ー!ちょっと待ってー!!」
あたふたしながら、帰宅する準備をしている彼女が、主人公の小笠真奈美。
高校受験のため、放課後は教室で居残り勉強をしている真面目ちゃん。
さらさらのセミロングで大きな目が特徴的な中学3年生。
沢田悠とは小学校からの親友。
悠も真奈美も友達が多く、好かれていた。
「おーそーいー。」
悠は寒そうに手をジャンパーのポケットに入れて身震いしている。
「ごめーん!!」
並べられた机を避け、
カバンを持って悠の元へ向かう真奈美。
「あー寒。早く行こ!!」
教室を出てスタスタと歩いて行く悠。
「あっ!あたし教室の鍵職員室に置いてこなきゃいけないから、下駄箱で待ってて!」
そう言うと背を向けていた悠は真奈美の方へ振り返った。
「走っていってこーい!!」
叫ぶ悠。
「はぃぃ!!!」゛廊下を走らない゛なんて書いてあるポスターを無視して走る真奈美。
゛廊下を走らない゛なんてポスターを見ると、
教師も忘れ物をした時に走ってるじゃん。と言いたくなってくる事がたまにある。
「失礼しましたー!!」
ガラガラ バタン
ドアを閉める音だけが校舎内に響く。
鍵を置いてきた真奈美は真っ先に悠が待っている下駄箱へと向かった。
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