三年目の

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  亡くした心モノ。   亡くした心モノ。  三回呟き、ふと周りを見ると、暗い夜道だった。周りは住宅地で、所々電気が消えている。 「ねえねえ、聞いてるの?」  隣で声がした。向くと、そこには彼女がいる。  彼女っていうのは代名詞的な意味での彼女じゃない。中学時代からの俺の彼女で、高校に入学して一年とちょっと経った今でも、俺の大好きな彼女だ。 「ああごめんごめん! 聞いてた聞いてた。で、なに?」 「もう! やっぱ聞いてないじゃんかぁ!」  軽く怒った表情で少しそっぽを向く彼女――あかり。どんな表情も可愛いなあ。  このままでも十分可愛いけど、好きな人を怒らせたままで喜ぶような趣向の持ち主じゃないから、ここは宥めておこう。 「怒んないでよ、今日のデートが楽しすぎてボーっとしちゃってたんだ!」  俺の言葉を聞いて、ちらっとこっちを向いたあかりの表情は、少し和らいだ気がする。
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