第一話

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「ねぇ旭…」 「ん?何?」 「旭はどうして離れないの?」 今日はなんだか少しだけ自分の気持ちを話せる。 なんでだろ… 「んー?何から?」 旭は笑顔で聞き帰してくる。 「私から。だって私我が儘だし。いつも旭待たせるし。酷いこと言うし……」 こんな奴、自分だったらすぐ離れるのに。 だってうざいもん。 「ねぇ、どうして?」 「柚が優しい子だから」 一瞬耳を疑った… 「はぁ?」 「だって今も優しい。俺の事心配してるんでしょ?俺が柚といて嫌な気持ちになっているとか。 それにね?柚は自分で気づいてるじゃん。自分が我が儘で悪口で俺に迷惑をかけてること。 自覚があるなら、いくらでも変われるよ。ね?」 どうして旭は…私ですらわからないことをこんなに理解してるの? 好きだよ。旭…… 「うん…そうだね」 「柚、今日素直だね。とっても可愛い」 「またそれ?可愛くないって何回言ったらわかるの?」 「あはは。わかんないや。だって俺は柚が可愛いと思う」
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