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「よし、完成。じゃあもう帰っていいよネムリン。バイバ~イ」
こう言うのは小さな帽子をチョコンと頭にのせている小さな少年。彼こそ、このお店の店長の帽子屋。
「テメェ、散々手伝わしといて最後はこのしうち!お礼ぐらいしろよ!」このギャアギャア騒いでる長身の男は眠り鼠。名前に反してまったく寝ない。
「しょうがないなぁ。じゃあ、ネムリンを最初のお客さんにしてあげるよ。感謝してよね。」
「なんでだよ!普通俺が感謝される側だろが。」
そんな眠り鼠の言葉は無視して帽子屋は出来立ての店内へ入っていった。
店内には、ハーブティーのいい香りが充満している。帽子屋は慣れた手つきで紅茶をカップに入れて眠り鼠の前に出した。
「さすが、帽子屋だな。なんだか言ってもお前の紅茶は最高だよ。ところで、なんでまた急に喫茶店なんて始めたんだ?こんなことしなくっても、不思議の国の住人は勝手にお茶会に来るじゃねえか。」
眠り鼠は紅茶をすすりながらいぶかしげに聞いた。
「そうだね。だけど、僕はお茶会に魅了されたイカれた帽子屋。僕はいろいろな人とのお茶会を開いてみたくなったんだよ。」
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