5人が本棚に入れています
本棚に追加
「カイト!」
『はい!!』
「お前はこの中で1番頭が弱く、実力も下だ。」
『は、はい・・・・・・。』
下を向き、別な理由で泣いてしまいそうになる。
それを見た教官は、フッ、と息を漏らし言葉を続けた。
「だがお前は、誰よりも努力をしていたな。今までよく頑張った。」
『え?・・・・・・あ!はい!!』
「これからも、初心を忘れずに頑張れ!」
『はい!ありがとうございました!!』
あの鬼教官が褒めるのは恐らく初めてであろう。
カイトは、驚きと喜びが混ざった表情になる。
「ロック!」
「はい!」
「普段は嫌がっているものの、やる時はやるところがお前のいいところだ。カイトのサポートをしてやってくれ!」
「はい!ありがとうございました!!」
ロックがカイトの横に戻り、呟いた。
「だって・・・・・・。」
『なんか複雑だよ・・・・・・。』
カイトが返事をすると、ロックは苦笑の表情を浮かべ、鼻で笑った。
「木葉月!」
「はい・・・・・・。」
「お前は無口だが、冷静で判断力がある。かなり大変だが、あそこの馬鹿二人を頼んだぞ!」
「はい・・・・・・ありがとうございました。」
馬鹿と言われたカイトとロックは、悲しそうに苦笑いしていた。
最初のコメントを投稿しよう!