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もともとクラスに興味はなかった。
水泳が出来れば、それでよかった。
だから高校で水泳が一番強い、この学校に来たのだ。
「もしかして俺のこと知らないの?三年間も同じクラスなのに?」
今度は、相手が驚く番。
「…ごめん」
心のこもっていない声で謝る。
べつに、他人に興味もなかった。
「あ、いいよ。責めたわけじゃなかったから。俺は水野(みずの)。宣(せん)でいいよ」
宣、というのが下の名前だろうか。
「…そう。よろしく」
「うん。よろしくね、倉持サン」
私は、水の中で、初めてクラスメイトの名前を知った。
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