キミの赴くまま

2/15
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
ガラ… 「……」 朝、教室に入る。 私はいつも通り、ただまっすぐに自席を目指す。 授業開始前の少し空いた時間に喋る友達もいなければ、おはよう、なんて挨拶をする人もいない。 私は、学校で完全に孤立していた。 …昨日までは。 「おはよーさん」 ひらひら、と手を振って私に挨拶をしてくる変わり者がいた。 (あ…確か) 「…宣」 「そう。覚えててくれたんだ、倉持サン」 宣は、笑っていた。 「…まあ」 私が曖昧な返事をすると、 「そ。んじゃ、授業始まるからまた後でね」 そう言って宣は席についた。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!