秋の通告

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 満開の桜並木の下。空は青々とし、町並みの中には少しだけ緑が芽生えている。  春の温かさが感じられ、陰りがないそこで幼い少年が笑いながら誰かに話し掛けている。  話し掛けている先は見えない………。霧が掛かったようにそこは白だった。  ひとりでに少年は身体を使って何かを表現し、度々けらけらと笑っている。  楽しそうに少年は会話を誰かとしていた。  不意に少年の動きが止まる。  純粋な瞳は何かを素直に見つめ、そして何かをしようと一歩前へと足を進める。  そして少年は手を前に出す。  すると霧が架かっている白から幼い子ども手がゆっくりと出てきた。  そして何かをした………。  何かを…………。
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