秋の通告

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 淡い青の制服を着こなし、自分は歩いていた。首には緑のネクタイ、手には茶色の手提げ鞄。  周りの並木は夏の時の輝かしさは残っておらず、ただひっそりとだがそこにあった。春には綺麗かつ壮大に輝くが今は冬眠する生き物のようになりを潜めている。  見慣れたこの景色にこれといった感情は抱かない。  いつも見ている景色なので変化があろうがそれは些細な事であり、些細な動きが続いているからこそ、それは自然である。 「コウ! 何、渋い顔してんのよ! 顔に似合わねぇぞ」  頭を鞄で打ち付けられた。いつもの事なのでこれといった感情は抱かない。  ただ、いつも通りに…… 「あぁ、茜(あかね)か。おはよう」  素っ気ない挨拶に白い制服で淡い青のスカート、緑のリボン、ショートヘアをした少女はいつものようにけらけらと笑う。  幼なじみの柴崎 茜(しばさき あかね)は何気なく、横に並ぶ。 「ねぇ、昨日の番組見た~?」  茜の問いに昨日の番組欄で定番ではない番組を思い出す。 「あの都市伝説解明ってやつか?」 「そう、それ!」  さも楽しそうに反応を示す。その行動はかわいらしいが自分は知っている。 「あの都市伝説は絶対あると思うのにどうして研究者達は論理的に考えちゃうかな。ぶつくさと物理学がどうとか訳のわからん事を言うし。特にあの髭の長いおじさん! 私としてはあれは………………」  そう。茜は開いた口は塞がらない。止めようにも暫くは自分の気持ちを吐かないと治まらない。仮に無理矢理、止めても憤慨し、何かとそちらの処理が大変になる。  暇つぶしに視線を泳がせる。朝っぱらから他人の愚痴を聞かされるのも真っ平ごめんだ。  泳がせていると並木をもうすぐ通り終える事が分かった。交差点が少し見え、その交差する斜めった車道が目に入り、そこの下の先に人影を見た。
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