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町外れの瓦礫の集落。
かつては栄えていた町のあった場所だが度重なる戦闘により
廃墟と化している。
そこへ一台の先程のボルボ。砂塵により薄汚れている。
車はこの廃墟群の中でも一番まともに建っている二階建てのマンションの前に止まった。
車からはジェイコブとトム。薄着で銃は装備していない。
後部座席からペリックとリッチモンド。彼等はカスタムされたAKを持ち、戦闘服に身を包んでいる。
ジェイコブは右手を上げる。
それを向かいの廃墟でスコープ越しに確認したキバヤシ。
ジェイコブはティンバーランドのブーツで朽ちかけた扉を蹴破る。
いきなりドアを蹴破られた兵士達は一斉に銃を構える。
「何者だ貴様等!」
ワークキャップを被った男がガバメントを片手に怒鳴る。
「銃を下ろせ!お前等に用は無い!指導者をだせ。我々はマーセナリーだ!」
「何のつもりか知らんがお引き取り願おう。君等の様な連中にやる仕事もない。」
「仕事は求めてない!金を受け取りに来た。ここは我々部隊が包囲している。素直に応じろ!」
これはジェイコブのハッタリ。彼等にはここを囲うだけの人数がいない。
「昨日の連中です。」
ワークキャップの男にAKを持った男が耳打ちする。
「分かった。おい、彼等はエスコートしてくれ。」
耳打ちをした男は銃を下ろし、ジェイコブ達の元に駆け寄る。
「先程支払いがあった筈だ。もう払える金は無い。指導者もまだ帰って来てはいない。」
「来なかったのは一体どいつだ?社会のルールを守れない奴等にあーだ、こーだ言われる筋合いは無い。居ないってのも嘘だろ。場所には誰一人現れてない。」
ジェイコブは男を睨む。
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