26人が本棚に入れています
本棚に追加
小汚ないバーには六人の傭兵と柄の悪そうな男連中で賑わっていた。
「今日の仕事は楽じゃなかったかジェイコブ?」
リッチモンドが問う。
「政府軍連中にしちゃ甘かったな。ペイの方はどうだ」
ロックグラスを片手にジェイコブは話す。
「明日、約束の場所で後金を払うって。払わなきゃズドンだぜ。」
若干酔いの回ってあるヒューストンは小柄のロン毛でチビチビいじられている。
「ったく面白味もねぇし政府のクソ共相手するなんてあんな額じゃ足らねぇって。」
トムは三つも空いた耳のピアスを弄りながら不満を吐き出す。
「ジョブ・キラー(殺し屋)じゃねぇし、変態でもねぇ。オレ等はマーセナリーだ。何度言ったら分かる?」
ジェイコブはアメリカン・スピリットに火を着ける。
「うるせぇな。じゃなきゃ革命、革命五月蝿いボケ共の為に働くか。」
「人様、銃撃戦なんてして申し訳ありません。だろトム。」
キバヤシは静かに言う。
キバヤシは日系と言うより純血の日本人で職人気質。自衛隊上がり。
「あー面白くねぇ。おっさん!テキーラくれ!」
やれやれといった表情を浮かべる一同。
それを余所にトムはテキーラをストレートで呑む。
最初のコメントを投稿しよう!