嵐は突然に…

2/10
前へ
/72ページ
次へ
春くらいになってママの体調が悪くなった 私はパパに連絡して病院に連れて行った 私とパパは先生に呼ばれた ショックだった… 『乳癌』と宣告された 『左乳房を切除する事を進めます』 『そんなに進行してるんですか?』パパは真っ青な顔で聞いた 『脇の下のシコリが…』 ママの胸が無くなる…あの綺麗な胸が… ママになんて言えばいいんだろう ママは悲しむだろう。でも言わなきゃいけないのだ 先生と三人ママの病室に入って先生が説明する ママは真剣な眼差しで話しを聞いていた 泣かずにしっかりと聞いていた 『セカンドオピニオンや、医療コーディネータとも相談して答え出していいですか?』 『それは結構ですよ。奥様が納得いくようにしてください』 びっくりするくらい、冷静な場面だった ママは点滴が終わると有名な病院にも検査しにいき、医療コーディネータと言う人に乳房の切除は必要かどうか相談にもいった そして3日後答えがでた ママは私とパパに乳房を切除する、とハッキリ言った 『切除しても、偽物だけど綺麗に胸はつけられる(笑)大丈夫よ、心配しなくて。ガン細胞とってしまえば』 『ママ…とれば大丈夫なんだよね。よかった…』『しばらく入院になるけどパパ、珊瑚お願いできる?』 『心配いらないさ(笑)お義母さんや桜ちゃんいるんだから、自分の事だけ考えてろ』 『ありがとう』 心の中で私はトオルさんの名前を何度も叫んだ
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1919人が本棚に入れています
本棚に追加