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春くらいになってママの体調が悪くなった
私はパパに連絡して病院に連れて行った
私とパパは先生に呼ばれた
ショックだった…
『乳癌』と宣告された
『左乳房を切除する事を進めます』
『そんなに進行してるんですか?』パパは真っ青な顔で聞いた
『脇の下のシコリが…』
ママの胸が無くなる…あの綺麗な胸が…
ママになんて言えばいいんだろう
ママは悲しむだろう。でも言わなきゃいけないのだ
先生と三人ママの病室に入って先生が説明する
ママは真剣な眼差しで話しを聞いていた
泣かずにしっかりと聞いていた
『セカンドオピニオンや、医療コーディネータとも相談して答え出していいですか?』
『それは結構ですよ。奥様が納得いくようにしてください』
びっくりするくらい、冷静な場面だった
ママは点滴が終わると有名な病院にも検査しにいき、医療コーディネータと言う人に乳房の切除は必要かどうか相談にもいった
そして3日後答えがでた
ママは私とパパに乳房を切除する、とハッキリ言った
『切除しても、偽物だけど綺麗に胸はつけられる(笑)大丈夫よ、心配しなくて。ガン細胞とってしまえば』
『ママ…とれば大丈夫なんだよね。よかった…』『しばらく入院になるけどパパ、珊瑚お願いできる?』
『心配いらないさ(笑)お義母さんや桜ちゃんいるんだから、自分の事だけ考えてろ』
『ありがとう』
心の中で私はトオルさんの名前を何度も叫んだ
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