嵐は突然に…

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私はフランス語に力入れた。病院からかえると無心に勉強した ママは英語、フランス語の翻訳できる 私はせめてフランス語の翻訳、通訳だと思った いつかあの高価なフランスの本を翻訳してやるんだとおもった トオルさんは一級建築士を目指していた。ようやく三級までとることができたのだ トオルさんは今時珍しく携帯を持っていない 部屋の固定電話だけだ 待ち合わせ場所は決まっていて、絶対遅刻はしない。何かあれば部屋から私の携帯にかかってくる ある日、私はトオルさんにママのお見舞いの花を渡された 『好みわからないけど、珊瑚のお母さんってこんな感じかなと思って(笑)』 それは色とりどりのガーベラの花束だった 『綺麗…ママ喜ぶよ。あ、これがママ』私は携帯の画像を見せた 『珊瑚にそっくりだ(笑)珊瑚は歳重ねてもこんなに綺麗でいれる証拠だ』 『才女で綺麗で優しくて…自慢のママ。ママには長生きしてほしいんだ』 『するに決まってるだろ(笑)さあ早く病院いってきな。担当のお医者さんや看護婦さんにはきちんとお礼して…』 『ママには笑顔!でしょ?』 トオルさんは満足そうに頷いた
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