嵐は突然に…

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久しぶりにパパのマンションにきた。パパの好きなチキンカレーを作ってあげた 『珊瑚…なんか話しあるのか?』 『私ね、今日パパに殴られるつもりでここにきたんだ。本気だよ…絶対しちゃいけない事…私今してるんだ…』 パパは無言でカレーを食べていた 『不倫…とか?』 『ちがう。もっといけない事…』 パパが怒ると怖いのは昔から知ってる。でも叩かれたりはしたことない 今回は叩かれて怒られるのを覚悟してきた 『私…去年から横山トオルさんと付き合ってます』 パパは無言でビールを飲み始めた 桜ちゃん同様、包み隠さず全てを話した パパの平手打ちがいつ飛んできても、私は構わないと正座して話し続けた 『パパには話しておきたかった。彼の事理解してる人だから…』 『なあ…珊瑚』パパは初めて口を開いた 『正直…同情ならいまからぶん殴りに行こうと思った。でも違うみたいだな…苦しいだろ?お前達…』 『結婚とかできなくても、私かまわない…トオルさんといれば幸せだし、苦しくないよ』 『トオルの気持ちは少しは俺もわかってた。同情だけじゃできない事…あいつしてきてるからな。でも…やっぱりお互いの親に自分の恋人自慢できないなんて、苦しいだろ?』 私は思わず涙がでた 『夢の中では、私とトオルさん、パパやママが楽しくカラオケいったり、ご飯食べたりしてるの(笑)その夢の後は…うん…辛い』 『もう辛くないようにしような…ママが退院して、落ち着いたらパパが説得してやる。その時はトオルも連れてこい。わかったな?』 パパの意外な言葉に私はびっくりした 少し胸のつかえがとれた
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