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『ママ…違うの彼そんな人じゃないの』
『珊瑚はまだ男がわかってないの!』
『聞いてママ…私は許す事でやっと自分が解放されたの…人を憎んだりするのは疲れるもの。始めは私もトオルさんの事罵ったけど…すごく醜い顔だったと思う
トオルさんは私の傷を生きてる証だって言ってくれた。すごく嬉しかったよ
同情なんかじゃなくて愛情なんだってすぐわかった
トオルさんはもう会いにきたらダメだって叱ったけど…私は自分の衝動を抑えきれなかった
パパやママ達裏切ってもトオルさんを愛したい…
トオルさんでなきゃ嫌だと思ってる』
『碧…珊瑚は俺達が思ってる以上に大人になったんだ…もう彼と珊瑚解放してやろう?』
ママは泣きじゃくり、ソファーに倒れ込む
するといきなり藤森さんが入ってきた
『碧、如月さんの言う通りだよ…碧は碧で自分の事考えなきゃ…みんな自分の道歩いてるんだ。俺と歩いてくれるんだろ?』
ママは嘘みたいに泣き止んだ
『珊瑚の事…絶対傷つけたりしないって約束できる?』
『はい!結婚許してくれなくても一生守ります』
『パパや珊瑚が許したんならしかたない…しかも藤森まで…(笑)』
ママは起き上がってクスクス笑った
私達三人はママと藤森さん残して家を出た
『なんだよ…KOパンチじゃねーか碧の奴…』
『如月さん、ありがとうございました』
『お前の事は信用してるから(笑)今晩、珊瑚泊めてやれ』とパパは車に乗り込んで帰っていった
私は初めてトオルさんの部屋で朝を迎えた
パパ公認のお泊りだった
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