赤いマーメイド

私達の事

ベットの上で私は言った
『ヤケになったことはない？』

『あるよ（笑）鑑別所でた時はしばらく昔の悪い連中がつきまとった

やっぱり俺はこんな世界から抜けられないのかなって…毎晩女抱いたり、博打したりしたさ

でも珊瑚のお父さんの手紙読み返してると珊瑚の笑顔が浮かんでくるんだ…立ち直ってるよ、頑張ってるよって

それからは必死で仕事探した。なんでもしますって頭擦りつけていくつもの工場や建設業まわった

今の会社は如月さん、お父さんが探してくれたんだ

なんでもできた。させてもらうことが喜びだったから』

『あんな出来事なかったら、こんな遠回りしなかったのにね』

『珊瑚を傷つけた事は俺は一生忘れないけど、一生守れる自身はあるからな』

私はトオルさんの胸に潜りこんだ

『離さないで欲しい』

トオルさんの胸は広くて温かい

そしてこの大きな手…私は大好きだ