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物心付いた頃から気が付いていた。
オレは人とは違うと。
周りの大人達は、いつもどこか遠巻きにオレを見る。
畏怖の念が込められた視線は、まだ幼いオレにも明らかに感じ取られるその感覚は、痛く冷たいものだった。
不快に思う事もあったが、さして問題でもなく、その不快感にも時が過ぎれば慣れてしまった。
幼い頃は、それなりに少女だったと兄は言う。
今はどうなんだ?、と問うと、性別不詳と笑って応える。
まぁ実際、オレを女として扱って居るだろうと思い当たるのは、緒珠火(おすか)と兄の闇雲(やくも)くらいしかいないだろう。
別にそんな事はどうでもいい。
オレが女であれ男であれ、この『力』の為に化け物扱いされて居る事に、なんら代わりはないからだ。
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