茜の空に翔ぶ雀

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時間(とき)は夕暮れ。 オレは窓辺に腰掛け、黄金色に輝く宙を眺めていた。 なんとなく想い出してしまった昔の事に、柄にもなくセンチメンタルになり、愛用の煙草に火をつけ、燻らせる。 紫煙が眩しく輝く黄昏に照らされ、白くおぼろげに光り、立ち昇る。 それを見つめると、自然に心が落ち着く。 こんな空間に身を委ねている時が、一番幸せな時だ。 周りに、うっとおしい五月蝿い奴らも居ないせいか、余計にそう感じた。
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