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その後も彼が上履きのないまま授業を受けていたり、筆箱がなくてノートを取れなかったりすることがあったが、そのたびに彼は斉藤君(彼が隣の席にいると言い張る生徒の名前)に貸したのだと言った。
内心ではそんな生徒はいないじゃないか、と思っていたが、クラスで一番中のいい親友なんだ、と話す彼にそれを言うことは、君に友達なんかいないと宣告するようでためらわれた。
いや、今になって思うとわたしは、面倒ごとに巻き込まれたくなかっただけかもしれない。
問題が起こるたびに、彼が友達で言い訳をすることにわたしは、ほっとしていた。
そんなうちに2週間はあっという間に過ぎてしまった。
わたしはせめて彼について真剣に考えたと自分に言い訳するように、復帰する先生宛に彼のことを出席簿に書き、散在小学校を後にした。
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