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「ず、随分と変わった兄をお持ちで。」
「やっぱり変わってます?お兄さまは。」
「うん。…まぁ、いいんじゃない?俺の周りにも約一名おかしな奴がいるくらいだ。」
「それって昨日の、」
「そ。アレ。」
北山以外にいない。
奴は神出鬼没なうえ、人の心を表情から読み取るというデンジャラスアビリティ(危険な能力)の持ち主である。
「ご馳走様。」
「はい。お粗末様でした。」
しかし、こんな子今時珍しい。
17年生きてきて彼女がいなけりゃ告白だってされたこと無いのに……はっ、もしかして俺ってラッキー?
「もしかしなくてもラッキーだよ。」
その声は、
「北山、どっから湧いて出た。」
「そんなボーフラじゃないんだから。」
出現の仕方がボーフラ以外の何者でもないんだよ。
「チャイムぐらい鳴らしたらどうだ。」
「鳴らしたよ。…心の中で。」
誰かコイツに再教育を!!
「ほらぁ。絢芽ちゃんだって壱羽の後ろで震えてるじゃん。」
「いや、それお前が原因だから。」
「はぁ。良いよなぁ壱羽は、絢芽ちゃんっていう可愛い子ゲットしてさ。」
「お前だって顔が良いんだからモテんじゃないのか?」
そう、このボーフラ北山は学校で五本の指に入る位イケメンなのだが……行動とか言動とかの問題で全くモテないのだ。
「『ボーフラ北山』ってこれじゃお笑い芸人じゃねぇか。にしても、どうしてモテないんかなぁ。」
そしてもう一つ、ナンパ好きなのもある。
「まずその性格を変えるこったな。」
「絢芽ちゃん。そこまで怯えなくても良くねぇか?」
「人の話聞けよ。」
絢芽ちゃんは昨日の出現した時から北山の事を危険人物として認識したらしい。
その時、予想外の人物がフレームインした。
ガチャ。
「あ~や~め~。」
「お、お兄さま!?」
あぁ、また変なのが来た。
「絢芽!!」
「は、はい。」
嫌そうに返事をした。
「何で僕の目を見てくれない。」
「お兄さまの目がやらしいからです。」
「で、アンタがお兄さん?」
「おい、北山。お前は話をややこしくするから入り込むな。」
昨日も昨日で質問しておいて答えを聞かずに別の質問しやがった。
「ケッ。また蚊帳の外かよ。昨日も昨日で置いてけぼりにしやがって。」
ボーフラがようやく帰ってくれた。
「ということは、君が絢芽の、」
「はい。旦那様の壱羽さんです。」
「僕は絢芽の兄の壮馬だ。以後お見知り置きを。」
「はぁ。で、今日は何の用で?」
「妹を連れ戻しに。」
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