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皆さんは「妹」というものをご存じか?
そう、それは甘えん坊であったり、いつもは兄を忌み嫌っているように見せて実は寂しがり屋で兄のことがとても大好きだったり(偏見)。
まぁ、一言で言うとかなりの破壊力を持った「萌え要素」なのだが…、
この小説の主人公はどうもその良さをわかっていないようだ。
この物語は「妹」の良さを全く知らない愚か者の葛藤とその妹の努力のなんかめんどくさい物語である。
……
えっ?俺は誰かって?
俺は……
「勝手なナレーションするな!!」
あっ!!待て!!名乗りぐらいさせろ!!
俺はさ…。
パチンッ。
テレビの電源が消える音と共に出来るだけこの作品には出したくないキャラは消え去った。
「もう二度と出てくんなっての。」
「あのぅ旦那様?誰と話してるんですか?」
「絢芽ちゃん。」
「は、はい。」
「世の中には知らない方が良いこともあるんだよ。」
「は、はぁ。」
そう絢芽ちゃんを諭し朝飯を食べる。
そして学校に行く支度を済ませた。
俺達は夫婦である前に高校生なのだ。
お互いに確認をしていく。
「あ。忘れるとこだった。学校では『旦那様』は禁止な。」
「やっぱり駄目ですか?」
絢芽ちゃんは少し落ち込んで見せたが、
「わかりました。壱羽さん。」
すぐに笑顔で答えた。
可愛いなぁ…。
「?私の顔に何か付いてますか?」
「い、いや。そろそろ時間だし。いこうか。」
「はい。」
ガチャ。
「おーはよー!!お兄ちゃーん!迎えに来たよー!!」
「まったく、お前はどうして朝から元気なんだ?巻。」
すると、巻は絢芽ちゃんの存在に気が付いた。
「およ、どちら様かな?まぁ良いや。おはようございます、んでもってはじめまして。私はねー、壬奈川巻(まき)って言うの。よろしくねん。」
「私は神凪絢芽って言います。よろしくお願いしますね。巻ちゃん。」
自己紹介を聞いた後、俺と絢芽ちゃんを交互に見て。
「ところでお二人はどういったご関係?」
また言いにくいところを聞きやがって。
「そ、それはだなぁ…」
俺が言いかけた時、
「い、壱羽さんは私の旦那様です!!」
「え?」
そりゃそうだ。
そんなこといきなり言われたら誰だって、
「お兄ちゃん。こんな可愛い子に何やったの?」
「何もやっとらんわ!!」
「絢芽ちゃん。この変態に何かされなかった?」
「人の話を聞け!!しかも変態扱いかよっ!!」
「い、今のところは、」
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