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「それで、この少女を保護した訳か…」
「信じがたい内容ですが、全て事実です」
「映像データを見せてもらった。
最早疑いようもない。
技研もこれには手を焼いているよ」
ミリア達は探査の報告の為、上司のオフィスに来ていた。
上司のクロフォードが、目を通していた簡易型のPCボードをデスクに置き、
「今彼女は?」
「保護した時同様に、未だ意識が無くて…
健康状態に問題は無いので、回復した後、様子を見て事実関係を聞いてみたいと思いますが」
ミリアの提案に頷くクロフォード。
「彼女の保護は君等に一任する。
一応意識が戻り次第、照会はしといてくれ。
彼女が何者なのか気になる。
だが、あくまで客人だ。
粗相の無い様にな」
ミリアは頷いて応えると、他の2人と共に退室した。
それを確認すると、クロフォードは探査報告書のページの開いたPCボードを再び手に取る。
技術屋ではない彼には、この不可思議な現象を推察するのは難しい。
だが終わりゆくこの世界に、何かしらの変化を与えるだろう、異質な予感めいたものを感じずにはいられなかった。
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