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「けどよ、それがあれだったんだろ?」
ガラッドの言葉にミリアは頷く。
「…私達は、不可能かもしれない手段と、その答えを探してる。
あれがどんな原理で作用したのか分からないけど、そのメカニズムが解明出来れば、何かが掴めるかもしれない」
ミリアが何を言わんとしているか、ミフユはようやく理解出来た。
「私達の研究の答えが、あの現象にあると言うのか?」
「可能性が、だけどね。
それに答えてくれるかもしれないのが」
「あの子、か…」
ミリアの『感応力』から推察した見識と分析が確かなら、あの黄金色のドームと空間固定を行ったのは、人の意思だ。
超能力が表す現象の強大さを多く知る自分達研究者でさえ、それは驚異に映る。
この、おそらく超能力による現象が、自分達を導いてくれる可能性は十分に有り得た。
「“地球再生計画”、か。
やはり口にしてしまうと、現実味に欠けるな…
何か、糸口になればいいが」
「そうだね」
彼女達の目指す未来。
それは、地球がかつて持ち合わせた生命力そのものを取り戻す事だった。
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