シルバーツ

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「ちょっと、何勝手してんの? 本人の了承無しにそんな事して…  訴えられても知らないから」 ミリアに咎められるも、 「別に構いませんよ。 それ見たら、罪悪感もなんも吹っ飛びました」 真顔で居直る青年を前に、何事かと鑑定結果を注視する。 ミフユとガラッドも、横からディスプレイを覗き見る。 「…フィフィ、ロザリナ・シルバーツ…?」 「…シルバーツ?  どっかで聞いた事あるな」 ガラッドが眉根を寄せる。 「超常学の権威であり、“新時代の女王”と謳われた、シルバーツ博士。  彼女と同姓同名だな」 「おお、それだそれ。 どうりで聞き覚えがあると思った」 「うそ…  どういう事?」 1人別個の反応を示す。 「本人ですよ」 青年の言葉に目を丸くする面々。 「は?  いや、有り得ねぇだろ」 「DNAが一致してるんですよ。 60年近く昔の、シルバーツ博士のものとね。 彼女は、シルバーツ博士本人です」 何もかもが常軌を逸し、遥かに想像を越えていた。 世界再生を目指し、その術を模索する過程で見つけた、未知の現象と60年前の生きる至宝。 希望の発見は運命を加速させ、当事者達の困惑する暇すら飲み込み行く。
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