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“銀の炎”が“敵”を消していく。
次々と粒子へ還される“敵”を、自分は冷たく見据えていた。
何故戦うのか。
それは生きる為だ。
生きる、とは?
自分にとって、それは大切な人と共に在る事だ。
なのに、1人だ。
自分以外の存在を感じない。
“敵”を全て消し去ったところで、戦う意義を己れに問う。
自身の運命に真っ向から立ち向かったのは、生きる為だ。
なのにそれ自体を失った今、抗う意味があるのだろうか。
“エリー”
大切で、愛しい存在。
その人だけではない、自分を慈しんでくれた人達。
懐かしい情景が浮かんでは、移ろい行く。
けして戻る事のない日常。
この夢の中に居られたなら、どれほど楽だろう。
だが、幻の時間は終わる。
現実に背を向ける時間は、終わったのだ。
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