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「今はクローン技術だって発達してる。
その可能性も」
「クローンは10万分の1以下の誤差が必ず起きる。
100%一致するなんて有り得ないよ」
「だったら、60年近く“あの状態”が続いていたという君の説こそ有り得ない。
あんな物理法則を無視した現象が、長期間持続するなど。
非論理的だ」
眠れる少女こと、フィフィを他所に、そのベッドの近くで論議を交わすミリアとミフユ。
互いの主張がぶつかる中、目覚めの時が不意に訪れる。
静かに、その瞼を開ける。
辺りを見渡しつつ、半身をゆるりと起こす。
「…あたし…」
知らない空間。
ここは何処だろうか。
「ミフユの言う事も分かるけど、私は」
目覚めたフィフィに気付き、言葉が途切れるミリア。
「ここは…?」
目を擦り、フィフィはミリア達を見やる。
「あ…
お、おはようございます…」
反応に困り、ぎこちなく対応してしまうミリア。
「ふあ~
おあよう」
あくびをしつつ間の抜けた声を上げるフィフィ。
一同はそんな彼女に、ただただ戸惑い、応対出来ないでいた。
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