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フィフィには“分かっていた”。
だが、敢えて確認せずにはいられなかった。
「体調に問題はないか?」
「はい。
おかげ様で」
クロフォードの言葉に変わらぬ笑顔で答えるが、
「では、いくつか質問したいのだが」
「…どうぞ」
フィフィから、それまでの笑みが消える。
警戒が見て取れた。
「君は何者だ?
何故、あの場に居た?」
それに答えかけるが、口をつぐむ。
事実を告げる事に、戸惑いがあった。
だから、
「貴方達は、いったい…?」
質問に質問で返した。
フィフィとしては“過去”の経緯から、自分の正体を知らないだろう者達に、それを語るまいか判断に迷うところだった。
自分は、彼らを知らない。
「そうだな。
まずは我々から名乗らなくては。
我々は環境保護団体『ジャシアン』の者だ。
私はここの局長を務めているクロフォード・オリバー。
宜しく頼む」
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