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「『ジャシアン』…?」
フィフィにとって、それは聞き覚えの無い名称だった。
「民間団体だが、スポンサーには多数の国家が名を連ねる。
世界最大規模の環境保護団体だ。
…この荒廃した地球の再生が、我々の課題でね」
「荒廃…」
クロフォードの発言のいくつかが気に掛かる。
フィフィと彼らには、明らかな認識のズレがあった。
「過去の大戦で受けたこの地球のダメージは甚大だ。
このまま放置すれば、星そのものが失われる。
それを回避する為、我々は打開策を日々模索している。
その過程でミリア達が見付けたのが、君だ」
違和感を覚え、戸惑うフィフィ。
「勝手だが、君の遺伝子情報を照合させてもらった。
君は…シルバーツ博士なのか?」
何かがおかしい。
動揺が、フィフィを問い掛けに対する肯定へと誘う。
「…はい。
フィフィ・ロザリナ・シルバーツです」
フィフィの肯定に、その場がどよめく。
「待て、後にしろ。
…博士、今の状況を理解出来るか?」
「…あたしは…」
上手く言葉にならない。
フィフィにとって、引っ掛かる点が多すぎた。
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