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「シルバーツ博士?」
ミーティング中の会議室に現れたミリアとフィフィに、何事かといぶかしむクロフォード。
「話したい事があるの。
少し、いいかな?」
クロフォードがミリアを見やるが、彼女もフィフィの意図が分からず首を横に振る。
「博士についても話し合っていたところだ。
不在で進めるより、在席してもらった方がいいだろう」
クロフォードが空席を差し示す。
「ありがとうございます」
隣席の研究員が椅子を引いてくれたので、軽く会釈をして着席した。
ミリアも別の席に座る。
彼女がミーティングに参加していなかったのは、フィフィの状態が気掛かりだったからだろう。
「博士が今ここに居る件については、今暫く伏せる方向で考えている。
事態が不透明なだけに、軽率な行動は取れない。
博士としても、無用な混乱は避けたい筈だ。
我々も、博士の置かれていた現象の解明を優先したい」
「それが地球の再生に繋がる?」
フィフィの問いに肯定の意を示すクロフォード。
「現在の技術では、この星は救えない。
あの未知の現象に、一縷の可能性を見ているのが今の状況だ。
我々の優先事項は変えられない」
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