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「あたしは、『干渉力』の解明の為に、科学者になった。
その危険性を軽視して、研究を続けた結果、最悪の結末を生んでしまった。
だから、あたしのせいなの。
あたしの…」
項垂れるフィフィを、落ち着きを取り戻したクロフォードが見詰める。
その他の面々も、フィフィの告白を理解し、静観していた。
「こんな筈ではなかった?
望んだ未来は、こうではなかった、か…
だが、実際は星の命を危ぶませる程の惨事と結果を招いた。
それが事実だ」
「ちょっと、局長!」
残酷に言い放つクロフォードに、異を唱えようと勢いよく立ち上がるミリア。
「だが…
新たな発見は、時に意に反した結果を残す。
刃物で人を殺める者もいれば、食卓を飾る者もいる。
『オーディン』を射ったのは、博士ではない」
分かっている。
それでも、罪の意識は拭えない。
「でも…」
項垂れるフィフィ。
「…そこまで責任を果たすと言うなら、我々は歓迎しよう。
博士の協力は、こちらとしても非常に助かる」
フィフィは頭を上げ、クロフォードを見据える。
罪は消えない。
自分の残したものが引き起こした災厄。
それに真っ向から挑む機会を与えてくれた『ジャシアン』の面々に、フィフィは感謝した。
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