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ミフユのあまりの剣幕に、その場の空気が凍り付く。
「せいぜい気張ってみせろ。
あんたが壊した世界だ。
何とかするのは当たり前だ!
どれ程のものか、お手並み拝見といこうじゃないか」
ミフユはフィフィを正面から見据えてそう吐き捨てると、研究室から出て行った。
暫し、沈黙が支配する。
「…その、ごめんなさい…
ミフユ、普段はあんな子じゃないのに…」
恐る恐る謝罪するミリアに、
「ううん、気にしないで。
仕方無いの。
本当の事だもの」
無理に笑って見せるフィフィの唇や手は、震えていた。
分かっていた筈だ。
それでも、胸が痛くて堪らない。
深呼吸を数回。
せめて責任を果たすその日まで、立ち止まる事は出来ない。
“エリー、あたしに勇気を”
愛する人を胸に、フィフィは平静を取り戻す。
「ミリアさん。
プロジェクトの進行状況を教えて」
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