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命あるものは皆、星と共に在る。
そこで生まれ、生命の循環を繰り返す。
そして、星もまた生きている。
1個の生命体として、この宇宙に存在するのだ。
「星の生命力を取り戻す…」
壮大な計画案に、眉根を寄せるフィフィ。
「様々な要因を受け、星自体の活動も緩慢になりつつあります。
現に、地上の生態系が崩れて間もない頃から、プレートの移動が減衰し、マグマの流動率も低下しています。
熱探査の記録によると、僅かに熱量の低下が見られるとか…」
『オーディン』の崩壊現象は、地上の破壊だけに留まらない。
それによって生まれた副次効果が、明らかに星の命を縮めていた。
「世界全体が、慢性的な食糧危機に陥ってもいます。
食糧の生産性が、著しく低下しているんです。
現在は加工品で補っていますが、どこまで持つか…」
記されたデータは、生産量の下落を如実に示す。
現在も、その傾向は変わらない。
原因は異常気象に加え、地質の栄養素の減衰、海流の変動に寒冷化による影響と、多岐に渡る。
これらの回復となると、あまりに途方も無い話しだ。
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