再生への道

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フィフィはこれまでの研究資料を凝視していく中で、ふと気付いた事があった。 『ジャシアン』の面々は『干渉力』の存在を知っている。 なのに、この地球再生計画や、現在の技術体系に『干渉力』による技術があまり流用されていない。 『オーディン』の引き起こす破壊現象など、『干渉力』のほんの一例に過ぎない。 その特性は、本来人社会の発展に大きく貢献出来る筈のものだ。 『干渉力』の技術が広まっていない要因は、いくつか想像が付く。 しかし意を決し、ミリアに直接聞く事とする。 「ミリアさん達は、『干渉力』についてどれだけ知っているの?」 その問いに、ミリアは困惑の色を浮かべる。 「あらゆる物に干渉出来る能力、としか… 詳しくは情報が開示されていないんですよ。 専門家からは、『干渉力』自体が存在しないんじゃないかと、憶測が流れたくらいですからね。 それまでも、現在に至っても、『干渉力』について公的に知っている人物や機関は無いんです」 能力の基礎知識すら薄い状況に、ますますもって躊躇いが強くなる。 これは明らかに、情報規制の結果だろう。 先の被害を鑑みれば、それも当然と言える。
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