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「あんなものは想定外だな…
どうする?
悪魔かどうかは別として、かなり危険な気がするが」
「う~ん、とんぼ返りじゃ、局長にどやされるだろうしな…
て」
「お~い。
早く行こうよ。
置いてくよ~」
丘から降りて1人サクサク進む女性。
「あいつには危険感知能力とか、こう…なんかないのか?」
「好奇心しかないのかもな…」
唖然とする2人は、半ば諦めて先行する女性を追った。
「こいつは…どういう、あれだ?」
「驚きの連続だな。
ここで、何があったのか…」
荒涼の大地に散らばる、兵器群の残骸。
この地で、大規模な戦闘行為があったのは間違いない。
「…おかしくないか?
あれ」
「ああ」
ドーム状に見えた黄金色の物体は、得体の知れない模様で構成されていた。
厚みがなく、隙間も多い。
この空間に浮かぶ、それは質の悪い落書きのようだ。
悪魔と呼称した人間の気持ちがいくらか理解出来る。
だが、違和感はそれだけではなかった。
散らばる残骸。
それが、ドームの内部には無い様に見える。
またもサクサクとドームに近づく女性。
「ミリア!
ダメだ、近づくな!」
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