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「ソーラーシステムの応用で、宇宙空間の太陽フレアや放射線を変換して取り込むの。
上手く還元さえ出来れば、再生の促進が可能だわ」
フィフィの言うそれは、あまりに突拍子もないもので、実現不可能に思えた。
「そんな大掛かりなシステムを構築するには、相応のデバイスが必要になります。
コスト面からも、実現は厳しいのでは…」
ミリアがやんわりと難色を示す。
「コストはさほどかからないわ。
ただ、おそらく完成までに10数年は必要。
システムの理論体系を作成するから、見てもらえないかな?」
室内の誰もが困惑する中、ミリアが頷く。
環境保護団体『ジャシアン』創設より30年余り。
その存在意義を賭けた大願を、たった1人の科学者が成せると言う。
戸惑いは必然。
しかし、行き詰まった計画の救世主と成り得る存在に、『ジャシアン』のメンバーは、希望を見ていた。
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