顕現する殺意

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「設計書は見せて貰った。  博士の案、採用させて貰おう。 システム開発には、どれくらいかかる?」 「1週間程。  その後はお願いします」 「ああ。  技研のスタッフは優秀だ。 実際の運用段階までいくつか協力願うだろうが、必ず実用まで持っていってみせる。 各国への了承は、本部と連携して行っておく」 クロフォードの了承に、フィフィは頷いて返す。 「では、早速取り掛かりますので」 踵を反して退室しようとした際、 「博士」 クロフォードが呼び止める。 「ん?」 「正式に『ジャシアン』に所属する気はないか?」 クロフォードの提案を前に、苦笑を浮かべるフィフィ。 「そのお誘いは嬉しいです。  でも」 表情を固くする。 「あたしはイレギュラーな存在。  ここに居てはいけない」 「…博士と一部のメンバーとの確執は知っている。 貴女の置かれた状況は確かに複雑だ。  しかし」 「そういう事じゃないんです」 フィフィの表情は暗く、瞳は過去を見据える。
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