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それから3日。
フィフィは着々とシステム開発を推し進めていた。
その開発速度と理論に、誰もが驚嘆した。
フィフィの明示したのは1週間。
進捗状況は、既に半ばを過ぎている。
そもそも新規開発は、そんな短期間に行えるものではない。
だがそれを成し得ようとするフィフィに、周囲は羨望の眼差しを向けた。
そして、『干渉力』に対する認識が、日に日に移ろい行く。
「この『増殖』ってシステム、元になってる集合体をコピーするみたいだけど、稼働状態のシステムに干渉してて、誤差や劣化はないんですか?」
施設内のロビーに向かう最中、片手に持つPCボードに映るフィフィのシステムについて質問するミリア。
「システム構成、組成をそのまま転写保持して後続に引き継ぐから、システム全体は予測域から外れないよ。
想定外のエラー対処には、ホワイトボックスによる補完データが働くから…」
ミリアの質問に丁寧に対応するフィフィ。
ミリアは、時間の許す限りフィフィの持つ技術を学んでいた。
フィフィもまた、それを望んでいる。
勤勉な彼女に、フィフィは自分がいなくなった後を任せるつもりなのだ。
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