顕現する殺意

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この荒廃した世界に、人が、生命が生きる為には可能性が必要だ。 それは破壊では無く、“再生”となる『干渉力』の力。 それは、フィフィが本来求めた、発展への道標だ。 「こっちの還元された別エネルギーですが、精神体との同調って」 「それは…」 そんな問答を繰り返す2人に、歩み寄る女性。 ミフユだ。 依然としてフィフィに対して表情は固い。 「博士。  貴方に客だ」 「え?」 耳を疑う。 この時代に、自分に対しての来訪者など… その人物は、ミフユの後ろに居た。 爽やかな笑顔を浮かべた、金髪の青年。 「やぁ、博士。  久しぶりだね」 「えっと…?  ど、どなたですか…?」 警戒しつつ切り返すも、フィフィは自分の見知った人物の面影を、青年に見ていた。 「分からない?  まぁ、無理もないか。  なら、これでどうかな?」 そう言う青年には、何の変化も見られない。 だが、フィフィだけが、言葉無く動揺していた。 「…アノン、なの…?」 フィフィに呼ばれ、屈託無く笑う青年。
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