顕現する殺意

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アノンの瞳は、憎しみに震えていた。 フィフィを、支えだった人物の仇と見ている。 会話についていけないミリアとミフユも、それは分かった。 「今日は軽く挨拶に来ただけだ。 お前がすべき事を果たした時、改めて殺しにくるよ。 一応言っておくけど、逃げようなんて思うなよ。 監視はついているし、何より、僕は『相互干渉』でお前の位置が分かる」 「なにっ!?」 アノンの発した一言に、ミフユは思わず驚きの声を上げてしまう。 そんなミフユを無視し、アノンは踵を返す。 「また会おうシルバーツ。  その時が、お前の死ぬ時だ」 アノンの去る姿を、フィフィは茫然と見据えていた。 ミリア達は、そのただならぬ状況に声を失い、フィフィに真偽のほどを問い掛ける事も出来なかった。 「…アノン…  あたし、は…」
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