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命を狙われ、その上罪の意識に囚われるフィフィ。
ミリアは思う。
彼女を救う術は無いのだろうか?
「…私、博士に憧れていたんです。
博士の様に優秀じゃないけど、自分の出来る形で社会に貢献する事が、いつしか夢になってた。
“新時代の女王”と謳われた博士もまたそうであったんだと、私は知ることが出来た。
私、それが嬉しくて…」
何を伝えたいのか、ミリア自身、それは判然としない。
それでも、自分の想いを伝えたかった。
「まだ出会って日は浅いけど、それでも博士を尊敬していますし、私の目標です。
その、博士に何があったのかは知りませんが、私は博士に会えて良かったです。
私は…博士の味方ですよ」
傷は深く、癒える事など、果たしてあるのかも分からない。
だが、その傷を抱えてでも成さねばならない事が在る。
ミリアの精一杯の言葉は、フィフィにそれを思い出させるには十分だった。
暫しの間の後、
「…ミリアさんは、優しいね」
フィフィは苦笑を浮かべ、涙を拭う。
再び、自身の使命と向き合う、その為に。
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