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「本当に、1人で行くんですか?」
不安気な表情のミリア。
約束の1週間が経過し、フィフィは一時の別れを告げていた。
「うん。
『転移』で回れば、それほど時間はかからないと思うから。
ミリアさん、その間『メサイア』の方は宜しくね」
フィフィに託されたシステム。
それは正に、地球再生を可能とする術だった。
その希望の大きさを思い、ミリアは堅く頷いた。
地球再生を成すシステム。
フィフィはそれを『メサイア』と名付けた。
初期段階では数センチのナノマシン集合体に過ぎないが、自己増殖を繰り返し、カーマン・ライン(地球外域への境界線)を越え、かつ地球のコアに到達する巨大な建造物に成長するシステム。
地球外エネルギーを変換し、大地の生命エネルギーへと置換する。
このシステムが起動すれば、衰弱した星を活性化させる事が出来る。
だから、フィフィは残された責務を果たす為に旅立つ。
『オーディン』が生み出した、物質への反転現象を無効化する事。
それを果たす事で、地球再生計画の本懐を遂げられる。
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