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「全て回るには、博士の言う『転移』を使用してもそれなりに日数が必要だ。
十分に気を付けてな」
「ありがとう。
数日置きにでも、様子見に来ますね。
それじゃ、行ってきます」
微笑を浮かべたフィフィは、見送る『ジャシアン』メンバーに背を向けると、その場から“消えた”。
『ジャシアン』のメンバーはフィフィが能力を使用するのを初めて目の当たりにしていた。
驚嘆、羨望、好奇心。
浮かべた色は様々だ。
フィフィは、『干渉能力者』であった。
アノンの言った『相互干渉』とは、同能力者を感覚的に知る事が出来る現象だ。
これは、フィフィやアノンの『干渉力』に限った事ではない。
その為、『相互干渉』に関しては、多くが知るところの一般知識なのだ。
「ミフユ?」
施設外で見送るメンバーから離れ、入り口付近で様子を伺っていたミフユ。
平静を保つその表情からは、彼女の心情は読み取れない。
歩み寄ったミリアに、
「分かっているよ。
私は」
不意に掛けられる言葉。
「…何が…?」
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