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そうして、被害の大きいか所から順に回り、被災地を解放していった。
反転現象の無効化を行ってより17ヶ所目に来ていた。
さすがに疲労の色が見えてくる。
被害の大きなポイントから対処してきたためか。
限界まで能力を酷使しては、どこかで無理やミスも出かねない。
まだ初日なのだ、あまり疲労は蓄積出来ない。
今日のところは潮時か。
「…次でラストにしようかな」
額の汗を拭い、『転移』しようとした時、
「え?」
『転移』…正しくは『転換移動』による座標指定がキャンセルされた。
『転換移動』は、自身の存在している位置と、別座標位置とを入れ換える事によって発生する移動手段だ。
『瞬間移動』と酷似した現象を生み出すが、『転換移動』の場合、タイムラグが存在せず、移動方向への痕跡も残さない。
極めて優秀な移動手段だが、扱いが難しく、事前に移動先座標を指定する必要もある。
つまり、移動先が指定出来なければ『転移』は行えない。
今、そのフィフィの座標指定が、強制的に阻害される形となった。
「こんにちは。
シルバーツ博士」
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