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“でも”
フィフィは腕の周囲に力場を展開し、銀の腕輪、『エンゲージ』を形成した。
先頭の『ファング』が、剣を思わせる長爪を振るってくる。
それをフィフィは銀の炎を生み出し向かえ打った。
フィフィの炎に触れた『ファング』は上半身を吹き飛ばされ、粒子に還される。
回り込んで左右上空から襲い掛かる他の『ファング』。
その長爪が届く間際、フィフィは『転移』した。
包囲しようとした右の2体の背後に出現する、とほぼ同時に炎で真横に薙いだ。
2体の『ファング』の胴体を吹き飛ばす。
更に左手から2発、光弾を放った。
それぞれ命中した残り2体の『ファング』が爆散する。
ものの数秒でアンドロイドを殲滅したフィフィは、再びアノンに向き直った。
「貴方は、世界を否定するのね」
引き連れていた戦力を失いながらも、全く動じていないアノンに語り掛ける。
「先に僕を否定して、利用したのは世界の方だ。
その挙げ句、自分達で自分達を滅ぼそうとしてる。
実に下らないね」
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